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ギョーカイのオキテ

美容室軒数22万軒突破!さらに増加傾向


ついに、全国の美容室の件数が22万軒を突破したそうです。
22万軒と言われても何かピンときませんが、日本全国にある信号機の数よりも多いそうです。

ひと昔、いや、ふた昔前になりますが、美容室の数が15万軒を超えると、経営的に厳しくなると言う事を聞いた覚えがありますが、それをはるかに超える軒数になった今、美容室がオーバーストア状態なのは明らかです。

このまま美容室が増え続けると将来には・・・・・・・


「あ〜やっぱり日本はいいわ〜」
約7年に渡る海外赴任生活から帰国したA子は思わずつぶやいた。

帰国して初めての休日だったが、溜まっている雑用を一気に片付けようとA子は朝から家を出た。

まず、赴任先で世話になった人たちへお礼の手紙を書いたので、切手を購入するため、商店街のコンビニに立ち寄った。

店員がレジを打っている間、何気なく店内を見回していると、奇妙なものが目に入った。
店内の目立たぬ場所の壁に、鏡が設置してありその前に美容室の椅子が置いてあるのだ。
「ふ〜ん最近のコンビニは化粧直しができるんだ。」と一人で納得して店を出た。

次の目的地に向かう前に、果物屋の前で思わずA子は立ち止った。
大好きなミカンがかごに盛られて並べられていたのだ。

日本のミカンは海外ではなかなか売られておらず、帰国したら真っ先に食べようと思っていたが、忙しさのあまり、すっかり忘れていたのだ。
店主と話しながらふと、店の奥に目をやると、果物の段ボール箱にほとんど隠れてはいるが、やはり鏡と椅子が置いてある。
その後立ち寄ったクリーニング店にも、やはり鏡と椅子が・・・・・

自分が日本にいない間に新しい法律でも出来たのかしら? さすがに気になり、A子は店主に問いただしてみたが、「別に気にしないで」と店主はお茶を濁すばかりだった。

納得が行かなかったが、次の予定の時間が迫っていたため、A子は店を出た。
今日は高校時代の友人であるB美と久しぶりに会い、昼食をともにする約束だったのだ。

「ひさしぶり〜元気だった?」 ひとしきり互いの近況報告が終ったのを見計らい、A子は長年気になっていた事を切りだした。

B美は高校卒業後美容学校へ進み美容師になった。

学生時代から、おしゃれが好きで勉強熱心だったB美にとって美容師はまさに天職で、たくさんの顧客に支持され、独立に向けて頑張っていると聞いていたのに、数年前に、突然美容師を辞めたと言う手紙が海外で暮らすA子のもとに来たので、ずっと気になっていたのだ。

「うーん。実はねー」
B美の話を要約すると、7〜8年前日本で一人の超美形のカリスマ美容師の登場により一大美容室ブームが巻き起こり、老いも若きも男も女も美容室に押し寄せてきたそうだ。

国の規制緩和政策で理美容師の免許制度廃止や美容室設置の規制が緩やかになったことも手伝い、ブームに目をつけた個人や、企業が一気に美容室を展開、雨後のタケノコのごとく、世の中美容室だらけになり、商業ビルのテナント全部が美容室の美容室城や、商店街のほとんどが美容室の美容室タウンなどが全国に増殖して行った。

しかし、ブームの中心であったカリスマ美容師の覚せい剤所持での逮捕をきっかけに、ブームはあっという間にしぼんでしまい、あとに残されたのは、倍に増えた美容室同士の過激な値引き合戦という共食いだった。

体力のない美容室はあっという間に廃業に追い込まれ、利が薄くなったと見るや、企業も一斉に美容ビジネスから手を引いて行った。

「美容師になって一番悲しい時期だった」とB美はつぶやいた。

一緒に頑張っていた同僚や同業の友達も次々この業界から去って行き、最後まで頑張っていた彼女も仕事の未来像が全く見えなくなり、ついに辞めてしまったそうだ。

「でもね、あのころの栄光が忘れられず、いつでも美容室に戻れるように備品を処分しないまま、副業を続けている店がまだけっこうあるみたいよ。」

B美の言葉にA子はハッとした。
そうか、今朝私が通った商店街は美容室タウンのなれの果てだったんだ。

旧友との再会を喜ぶどころか、すっかり憂鬱な気分になってしまったA子だったが、別れ際のB美の言葉に救われた気がした。

「良い事も悪い事も永久には続かないわ、わたし、最近美容界が生まれ変わってきている気がするの、お客様も結局、安い料金では、安い結果しか得られないという事が解ったみたい。」

実際、ピーク時の半分以下まで下がった美容料金が最近上昇に転じてきているらしい。

「最近、もう一度美容師に戻ってもいいかなーって思うようになったの。 暗い表情のお客様がね、私が一生懸命髪を可愛くしてあげると、最後にはパッと明るくなって、元気に店を出て行くの。 私はそれを見送るのが大好きなんだ。」

そう言ってほほ笑む彼女の顔に、高校を卒業したばかりの頃の彼女の屈託ない笑顔がだぶって見えた。


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