 ファラフォーセット・メジャーズ。 サーファーカットの元祖  このように縦スライスで一気に上に持ち上げてカットしていました。 このまま放射状にスライスをして、フロントまで進みます。  「重軽折衷型」。ブローが前半分だけで良いので楽だった。  ご存じ聖子ちゃんカット  サーファー末期のプードルヘア |
サーファーカットは70年代中ごろから日本で大流行したヘアスタイルです。 いわゆる、ロングのハイレイヤースタイルで、全盛期には若い女性の7割くらいはサーファーカットをしていたような記憶があります。 サーファーカットの元祖流行の元となったものには諸説あるみたいですが、当時有名なハリウッド女優のファラフォーセットメジャーズのヘアスタイルという説が有力です。 ファラフォーセットメジャーズは超ロングの髪ですがトップからたくさんのレイヤーが入っていて、軽やかに動く髪はとても自由で、とてもセクシーでした。 サーファーカット黎明期70年代中頃はまだビダルサスーンの影響が強く、重めのグラボブ中心の仕事をしていた美容師は、最初ロングヘアに、こんなにたくさんの段（レイヤー）をどのようにしてつけたらよいのか解らず苦労しました。 のちに縦スライスでパネルを全部上に持ち上げて、トップの短い部分とつなぐというテクニックが美容師間に広まると、一気にサーファーカットが町中に溢れました。 サーファーカットの変貌しかし、日本人の髪はカットだけではファラの様に柔らかい質感や、後方への毛流れが出ないので、パーマが必要になり、サーファーカットはカットスタイルではなくパーマスタイルへと変貌しました。 当時のパーマは現代よりかなりしっかりとかけていたので、皆ブロードライには相当の時間をかけていました。 又、サーファーカットは、後ろ半分はワンレングスで前半分だけがハイレイヤーの「重軽折衷型」やトップのみじかい髪に合わせて全体をセイムレイヤーに切りヘムラインだけが長い「ウルフカット型」など様々なバリエーションが生まれました。 今、思えば、全体にレイヤーを入れてパーマをかけるとブローが大変だし、落ち着きも悪くなるので、より落ち着きを良くし、ブローも楽になる方向へと変貌して行った気がします。 サーファーカット末期その後も、サーファーカットはミディアムレングスバージョンの松田聖子カット（80年頃）や、80年代中ごろに発表されたカリフォルニアカットを日本風にアレンジした、フロントとトップのみをハイレイヤーカットにして、そこだけにパーマをかけたプードルヘアなど様々に変貌しました。 末期にはプードルヘアの毛先をカーリーにした、その形から「富士山噴火型」などの異端まで出現し、もはやサーファーカットと呼んでよいのか解らなくなってしまいましたが、実に10年余りヒットし続けました。  サーファーカットの異端「富士山噴火型」を後ろから見た図。 この後、サーファーカットは姿を消しました |
【ENEＳのWEB美容学校】ＨＯＭＥへ戻る 毛髪辞典へ戻る