今回は基本中の基本ワンレングスの切り方です。
ワンレングスのヘアカットは、スタイルを作ると言うよりヘアカットの基本的な姿勢や立ち位置、コーミングの仕方などを身に付けるための訓練と言ったほうが良いかもしれません。
つまり、ワンレングスをきれいにカットできるようになればヘアカットの基本が身に付いたという事です。
ワンレングスを切るための正しい姿勢
すべてのカットラインが一線上に集中するワンレングスは、姿勢が重要です。
両足を開いて、ひざを曲げ目線を出来るだけカットラインに近づけます。
さらに両ひじを上げてカットラインと平行になるようにします。
背筋も出来るだけ伸ばす事で視界を広く取る事ができます。
視界が狭くなるとカットラインが直線になりにくくなります。
また、常に体の正面でカットするように心がけましょう。
ブロッキング
耳とGPを結ぶラインで前後に分け、下から水平スライスでカットしてゆきます。
1 イアトゥイアで前後に分けます。
2 ネープに2〜3cmのパネルを取ります。 パネルが厚すぎるとパネル内で段差が出来てしまうので、きれいに切れません。
3 カットする位置に左中指を置き、その上にノーテンションでコーミングした毛髪を乗せます。
4 ノーテンションを意識して人差し指でふんわりと挟み込みます。
5 人差し指は真横ではなく少し中指の上に乗せる感じでパネルをはさみます。
6 引き切りでパネルをカットします。
7 指にはさんだパネルをすべて切ろうとすると、手を切ってしまったりする事があるので、少し残しておきましょう
8 両サイドも同じようにカットします。
9 すべてのパネルを切り終わったら、左右の長さが同じかどうか必ずチェックします。
10 順次同じようにパネルをおろしてカットしてゆきますが、ここでコーミングのやり方をお教えします。
根元に斜め45度位でコームを入れ、
11、12 そのままコームの角度を変えずに下まで下ろしてゆきます。
13 これは悪いコーミングの例です。 地肌に押し付けるようにコーミングすると仕上がりの長さが違ってきます
14 耳後ろも長さを確認するポイントです。
15 基本はこの様に、はさみを持ってカットしてゆきますが、
16 背が高い人や、ウィッグの高さ調節が出来ない場合はこの様にはさみを持ちます。
17 バックの一番上の部分です。毛流に逆らわずノーテンションでコーミングします。
18 バックのカットの終了です。
19 サイドのカットに入ります。 バックと同じように2〜3cmの厚みでパネルを取りノーテンションでコーミングします。
20 バックのカットラインを正確に延長しカットします。
21 サイド1線目のカットの終了です。
22 反対サイドの第1線も同じようにカットして長さのチェックをしておきましょう。
23 順次同じ要領で切り上がって行きます。
24 顔周りの部分(赤部分)をカットするときは、少しコーミングのやり方を変えます。
25 この様に指を当てた状態でコーミングします。
26 顔周りの部分は毛流の通りではなく少し後ろへ引いた状態になります。 この状態を壊さないように注意しながらカットします。
27 毛流の通りにコーミングすると顔にかかるようになりますが、この状態でカットすると顔周り部分が短く仕上がってしまいます。
28 最後の部分まで同じように指をあててコーミングし、カットします。
29 全体のカットが終了しました。
30 顔周りを毛流の通りにコーミングすると前下がりなりますが、ブローすれば水平ラインになります。
31 サイド上部のクラウンに近い部分は毛流によってはバックに流れます。 毛流に逆らわずにバックでカットします。
32 全体のカット終了
33 ブロー終了後、ウィッグを前に倒しはみ出している部分をチェックします。
34 きっちり同じ長さにカットしているはずなのに、どうして下の毛が、はみ出してくるのかと言いますと、それは毛髪が乾燥すると一定の割合で収縮すると言う特性にあります。
35 たとえば収縮率が5%だとして、ネープの長さが5cm、クラウン付近の毛髪が30cmとするとネープの髪は25mmしか収縮しませんがクラウンの髪は1,5cmも収縮します。
つまり、ワンレングスにカットしても、乾くと僅かではありますがグラデーションが付いてしまうのです。
これが内側の短い髪がはみ出してしまう原因です。
完成です。