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胸腔ドレナージの基礎

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胸腔ドレナージは何のために行うの?


胸腔は、胸壁、縦隔、横隔膜に囲まれ、閉鎖された空間になっており、横隔膜と胸壁が運動してその容積を変えることで肺は膨張や縮小して、呼吸が行われています。

一方肺は肺膜筋の働きにより縮小しようとする力が働いているので、常に肺を膨らませているために胸腔内は常に陰圧(−5〜−8cmH2O)に保たれています。




しかし、何らかの原因で壁側胸膜(イラスト左側)や臓側胸膜(イラスト右側)に穴が開くと胸腔内を陰圧に保つことが出来なくなり、肺は肺膜筋の力により収縮してしまいます。

この状態を気胸と言い、壁側胸膜破れることを外気性気胸、臓側胸膜が破れることを内気性気胸と言います。




ドレナージを行う事で、胸腔内の大気を排出し、胸腔内を陰圧にする事が出来るので、肺は再び膨張する事が出来ます。



胸腔ドレーンはどこに挿入するの?




1気胸の場合(イラスト左側)、第2・第4助間から挿入するのが基本ですが、手術などを想定し、第7助間中後方から挿入する事が多いようです。
さらに、空気は上部に溜まるので、ドレーンは上に向けて留置します。

2胸水などの液体が溜まっている場合(イラスト右側)
第7助間から挿入し、液体が溜まりやすい後方に向けて留置します。

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どのようにして排出するの?

排出には3連ボトルシステムが最も多く利用されています。



排液ボトル


胸水や血液、膿など胸腔から排出された液体がここに貯まります

水封室


ここに減菌蒸留水を入れることで胸腔内が外界と遮断されます。
上部には陽圧逃がし弁があり、過剰な陽圧を外へ逃がし、胸腔内圧の異常な上昇を防ぎます。
また、中央の逆流防止弁が過剰な陰圧を緩和します。

吸引圧制御ボトル


ここに入れる減菌蒸留水の量で吸引圧を調節しますが、吸引圧が強くなりすぎると空気導入口から空気が入り、調整されます、そしてそれが気泡として確認できるようになっています。
なお、減菌蒸留水は黄色に着色されます。

ドレーン管理のアセスメント1へ続く


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