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通常呼吸は吸気時に胸腔内の陰圧が高まり、呼気時に弱まります。
胸腔ドレーンは胸腔内と気密性が保たれているので、この呼吸の仕組みがシステムに反映され、胸腔内の陰圧が高まれば(吸気時)水封室細管の水が患者側に引っ張られるので水面が上昇します。
一方、呼気時には陰圧が下がるので水面は下降します。
この様に呼吸に連動した水封室の水面が上下する事を呼吸性移動と言います。
ドレーンが確かに胸腔内にあり、ドレーン回路の気密性が保たれている事を表し、ドレナージが正常に行われていることが分かります。
正常
呼吸性移動が徐々に減少してゆく。
呼吸性移動が発生するのは肺の状態がある程度改善され、エアリークが断続的になって来てからです。
さらに改善が進んでゆけば、呼吸性移動はさらに減少して行き最終的には無くなります。
これがドレナージ終了の目安になります。
異常
呼吸性移動が起きない。
徐々に減少するのは正常ですが、全く起きないのであれば、肺の拡張やドレーンの閉塞や屈曲などでの閉鎖している場合があります。
呼吸性移動の急速な停止
ドレーンの閉塞や閉鎖、脱落、接続不良などの疑いがあります。
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呼吸状態
呼吸数や呼吸音その他、深さやリズム安定度、左右差などをチェックします。
また気胸で減弱、消失していた呼吸音の変化などを聴診し確認します。
バイタルサイン
体温、血圧、脈拍、酸素飽和度の変化や異常をチェックします。
さらに採血データがあれば白血球数、赤血球数、アルブミン値なども確認します
痛み
患者の痛みは治癒に影響を及ぼすので、刺入部だけではなく、その他の部位も確認します。
感染徴候
胸腔ドレナージは体外と胸郭をつなげるので細菌が流入する恐れがあるので、発熱や炎症、刺入部の発赤、腫脹などの感染徴候が起きていないか確認します。
刺入部の観察
〇皮下気腫の有無
皮下気腫はドレナージが十分でない時に胸腔内の空気が皮下に入り込み起きるので、もし認められればマーキングして、経過を観察します。
〇出血の有無
出血がある場合は皮膚の損傷や胸腔内で出血が起きている場合が考えられますので、医師に報告します。
〇糸固定の確認
ドレーンを固定している糸がゆるむと、ドレーンがずれる恐れがあるので、確実に固定されているか確認します。
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