HARG(ハーグ)治療

HARG治療とはHair(毛髪) Re-Generative(再生) therapy(治療) の頭文字をとって名づけられた療法で、日本語で言えば「毛髪再生医療」と言い毛髪治療では最新の医療です。

AGA治療はAGAの男性のみの治療ですが、HARG治療は男女のみならず、すべての薄毛やはげに治療でき、発毛率も99%と非常に効果が高いのが特徴です。

難点としては、数年前から始まったばかりの療法のため、HARG治療を行っている医療機関がまだ少なく、治療費もAGA治療に比べて高価であるという事です。

HARG治療での発毛の仕組み

毛髪には1本1本に独立したヘアサイクルと言う物があり、常に一定の量の毛髪が生え変わって全体として同じ量の毛髪を保つしくみがあります。
仕組みを簡単に説明すると
1成長期 髪が盛んに伸びている時期で通常2年~6年あります
2退行期 髪の成長が止まっている時期2~3週間
3休止期 髪が抜け、毛母細胞の活動が止まるのでこの間は髪が生えない。2~3ヶ月

薄毛になるのはヘアサイクルに乱れが生じ、成長期が極端に短く(数ヶ月)なり、逆に休止期が長くなるので、毛髪の量が次第に少なくなってゆきます。

HARG治療ではこの様な状態になっている頭皮にHARGカクテルと呼ばれる成長因子を中心とした薬剤を注入する事により、休止期に入っている毛髪には発毛を促し、成長期が短くなっている毛髪には、成長期を延ばすという効果があり、結果としてヘアサイクルを正常な状態に戻します。

HARGカクテル

HARGカクテルの中心になっている成長因子とは AAPEと呼ばれ人間の幹細胞から抽出されます
幹細胞とは、人間の様々な器官、を形作っている細胞の元となっている細胞で、幹細胞が様々に分化することにより、たとえば目や心臓、皮膚など人間の全部の器官ができます。

だから、自分の幹細胞を取り出し、頭皮に移植すれば増毛する事は理論的には可能なのですが、それには手術が必要であったり、その他、様々な制約があり、実際には不可能と言うのが現実です。

その為、様々な制約を受けない有効因子として開発されたのがAAPEと呼ばれるタンパクです。

AAPEとは健康な成人女性から採取した脂肪幹細胞を培養し、その細胞から分泌された各種の成長因子を含んだタンパクで毛包成長期を誘発する効果のあるFGF-7や毛髪再生を促進させるVEGFなど150種を超えるタンパク質が含まれています。

つまり、AAPEを混合したHARGカクテルは成長期にある毛髪に対しては成長を促進し、休止期にある毛髪に対しては成長期へ誘導し休止期を短くするので、結果として増毛効果が出ると言う事です。
HARGカクテルはAAPEの他に血管拡張剤、ビタミンB、コエンザイムQ10などを含むメソヘアーカクテルを加え、様々な処理を施しアレルギー物質などを含まない安全な薬液に出来ています。

さらに、個人の状態に合わせ、毛髪再生に必要なビタミンB、血管拡張作用のあるブフロメジル、毛髪のタンパク質ケラチンを構成するアミノ酸システインを含有する「メソヘアー」、毛髪再生に必要はビタミンH、C、Eなどをブレンドして使用する場合もあります。

HARG治療のやり方


HARG治療のポピュラーなやり方は注射で頭皮内にHARGカクテルを注入すると言うものですが、表皮と真皮の間に打つのは難しく、打ち方が浅いと効果が出づらいと言う事もあり、注射のほかにもいくつかの注入方法があります。
エレクトロポレーション
皮膚表面に特殊な電気パルスを当てることで、角質層の細胞の間を広げHARGカクテルを流し込む方法で、狙った場所に確実に薬液を送り込め、注射のような痛みもありません。

フラクショナルレーザー法
レーザーで皮膚に目には見えないほどの極小の穴を開け、そこからHARGカクテルを流し込む方法で、痛みはありませんが、個人差により注射より多少回数が増える場合があります。

ダーマローラー法
極細の針が多数付いたローラー(ダーマローラー、美顔で使うローラーに針が付いたようなもの)を頭皮の上を転がしながらHARGカクテルを流し込みます。
針はあるが痛みはほとんどありません。

治療期間や治療費

HARG治療は約1ヶ月に1度ほど行い、6回が1クールになっており、4回目で発毛を実感し、6回で終了という人がほとんどらしいですが、人によっては10回必要な場合もあります。

費用は医療機関によりマチマチですが1回の治療費が10~12万なので、1クールで60~72万と言う事になります。

決して安い金額ではないですが、オーダーメイドのかつらを作ればメンテナンス代などを含め年間100万以上はかかりますので、考え方によってはお徳ともいえます。