源泉徴収簿は経営者が記入するものです。
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美容室の年末調整4 源泉徴収簿への記入
扶養控除申告書と保険料控除申告書は従業員が記入する書類でしたが、源泉徴収簿は経営者が記入するものです。
この源泉徴収簿も税務署に提出するものではありませんので、別の、たとえばエクセルなどで作った源泉徴収簿でも構いませんが、今回はこの源泉徴収簿の書き方を説明します。
この源泉徴収簿には裏面にも記入する所がありますが、通常の年末調整には使いませんので省略します。
1、左半分の説明
ケースBの加根 有造さんの例を記入しています
① 総支給額 所得税などを引く前の金額を記入します
② 社会保険料等の控除額 雇用保険料のみを行っていると言う仮定で、その保険料1.000のみを記入しています。
もし社会保険などを導入しているのであれば、その金額も合わせて記入してください。
③ ①から②を引いた金額です。
④ 扶養家族がいればここにその人数を記入します。
加根さんは奥さんと子供がいますが、奥さんは年収が103万を超えているので配偶者にはなれず、また子供も16 歳以下なので同じですので、ここは0になります。
⑤ 算出税額 ③に金額に対する所得税です。 税務署から毎年送られてくる税額表から算出します。
⑦ 去年の年末調整で算出した税額が毎月徴収していた税額の合計より多くなった場合、その超過分を記入しますが、通常そのようなことはありませんので、0か無記入でOKです。
⑧ ⑤+⑦の金額を記入します。
※ 赤枠で囲んでいる部分は、年末調整後に書き直すので鉛筆で書いておいてください。
2、右半分の説明
いよいよ、ここで年末調整の計算を行いますので、各項目を間違えないように入力してください。
ここは記入欄が多いので上中下の三段に分けて説明します。
なお、この欄は従業員から提出された「扶養控除申告書」と「保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」から金額を転記して行くので、その2通を手元に置いて以下の解説をご覧下さい。
3、上段の部分
一番上の行は去年の年末調整で徴収できなかった税金があるかどうかを記入する欄なので通常は0です。
次の欄は扶養家族や配偶者の有無を記入する欄なので該当するところに○をつけます。
もし、年の途中で増減があった場合はそれも記入します。
中の段
1
①から
⑥までは、すでに記入した左半分の給与と賞与の合計欄に書いてある①から⑥までの欄の金額をそのまま転記します。
左半分の源泉徴収簿
⑦、⑧は上の2つの欄の合計金額を記入します。
⑨の給与所得控除後の給与等の金額は税務署から書類と一緒に送られてきた「年末調整のしかた」という冊子の78ページ以降に表がありますので、⑦の金額が該当するところの右端の青い部分の金額を記入します
⑩は左半分の給与と賞与の合計の欄の
②12,000と
⑤の800を合計した金額を記入します。
⑪は保険料控除申告書の社会保険料控除の欄の合計金額を転記します。
⑫の小規模企業共済には加入していないので、記入しません。
⑬生命保険の控除顎は保険料控除申告書で計算した生命保険料控除額の合計欄の金額を記入します。
⑭地震保険には加入していないので、この欄には記入しません。
⑮配偶者特別控除 ケースBの加根さんの奥さんは収入から配偶者特別控除になりますので、配偶者特別控除申告書で計算した控除額を転記します。
⑯ ここには配偶者、扶養、基礎控除と、身障者などの控除額の合計を記入します。
加根さんの場合、配偶者控除も扶養控除もありませんので、25年度「年末調整のしかた」104ページの表の、なしの金額380,000を記入します。
下の段
㉒ ⑳の金額に102.1%をかけて年間所得税額を算出します。
38.900×102.1%=39716.9 100円未満は切り捨てるので39.700になります。
㉓ ㉒の金額から⑧の金額を引きます。
39.700-62800= △23.100 ※△はマイナス(-)と言う意味です。
㉔,㉕は通常は記入しなくても良いです
㉖,㉗は
㉓の金額から△(マイナス)を取り除いた金額を記入します。
㉘、㉙、㉚ は通常0か無記入でOKです。
最後に左半分の源泉徴収簿の赤枠部分を下の図の右側のように書き換えて終了です。
加根さんの年末調整は23.100円を本人に還付し、残りの33.300円を税務署に納付すると言う事になりますが、7月にすでに6か月分28.200円を納付済みですので差額の5.100円を納付します。
最後に例では紹介しきれなかった扶養の種類と控除顎の表を「年末調整のしかた」55ページより転記しておきます。
参考にしてください。
年末調整めんどくさいとお思いの方はこちら
源泉徴収簿の記入が終わったら、
次は「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計票」への記入です。
その他の年末調整のページ
17-1 年末調整とは
17-2 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書
17-3 給与所得者の扶養控除等(移動)申告書
17-4 源泉徴収簿への記入
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