アシデミアとアルカレミア、この2つの言葉は血液の状態を指す言葉で、アシデミアは血液のpHが基準値(7.40±0.05)よりも下がっている、つまり酸性側に傾いた状態を指し、逆にアルカレミアは基準値より高くなりアルカリ側に傾いている状態を指すものです。
一方、医療の現場でよく使われるアシドーシスは血液が基準値より酸性側に傾く原因となった病態や変化の事を指し、アルカローシスは血液が基準値よりアルカリ側に傾く原因となった病態や変化の事を指すものです。
臨床などではアシデミアとアシドーシス、アルカレミアとアルカローシスが混同されて使われている場合もあるようですが、混合酸塩基平衡障害を理解するにはこの言葉の違いをしっかりと理解しておくことが重要です。
例えばCOPDで換気不全に陥り、血中にCO2が蓄積されpHが酸性側に傾けば、この病態(COPD)がアシドーシスと言う事ですが、これに激しい嘔吐によるアルカローシスが加われば、血液pHがどちらに傾くかは、まるで綱引きのように病態の強さ、つまり嘔吐(アルカローシス)が強ければアルカレミアに、COPD(アシドーシス)が強ければアシデミアになります。
この様に複雑な病態を示す事を混合性酸塩基障害と言い、これに適切な処置を行うにはアシデミアとアルカレミア、アシドーシスアルカローシスの意味をしっかりと理解することがとても重要です。
血液ガスを理解するための用語解説
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HCO3ー PaCO2 PaO2 SaO2 BE
酸 塩基 分圧 アシデミアとアシドーシス、アルカレミアとアルカローシス
サチュレーション