ステップ1 アシデミアかアルカレミアの判断
血液pHの基準値は7.40±0.05なので、例えばpHが7.51であれば基準値を超えているのでアルカレミアで、逆に7.31などであれば基準値以下なのでアシデミアと言う事になります。
ステップ2 血液pHの変化の原因を調べる
血液pHを決めるのはHCO3
ーとPaCO2なので、血液ガス異常の4パターンと照らし合わせて、どちらが標準値から外れているかで代謝性(アシドーシス or アルカローシス)か呼吸性(アシドーシス
or アルカローシス)かを判断します。
例えばpHが7.30、PaCO2が40Torr、HCO3
ーが15mEq/lだとすると、pHからアシドーシスだと分かり、HCO3
ーが標準値(24mEq/l)よりかなり低くなっているので、代謝性アシドーシスだと判断できます。
ステップ3 アニオンギャップの計算
血液中には陰イオン(アニオン)と陽イオン(カチオン)が同じ量だけあり、平衡状態を保っているのですが、陰イオンの中には測定できない陰イオンがあるので、測定値では陰イオンの方が12mEq/lほど少なくなっています。
この両者の測定値の差をアニオンギャップ(AG)と言い、基準値は12±2mEq/lです。
このAGを計算する事で、代謝性アシドーシスのより細かい病態が分かります。
計算式はNa
+ーCl
ー−HCO3
ーで、これが標準値(12±2)より大きければAG上昇の代謝性アシドーシスと呼び、HCO3
ー以外のケトン体などの有機酸が増えており、病態としては糖尿病性ケトアシドーセス、アルコール性ケトアシドーセス、乳酸性アシドーセス、尿毒性アシドーセス、サルチル酸やメタノール中毒などが考えられます。
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血液ガスを理解するための用語解説
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HCO3ー PaCO2 PaO2 SaO2 BE
酸 塩基 分圧 アシデミアとアシドーシス、アルカレミアとアルカローシス
サチュレーション