医療の現場で言う「サチュレーション」とはパルスオキシメーターで測定したSpO2や、血液ガス分析のSaO2の値の事で、日本語では血中酸素飽和度といいます。
呼吸により体内に取り込まれた酸素は肺胞から血管内に溶け込みますが、血液100mlに対し0.3mlと、ごくわずかな量でCO2の20分の1ほどしかありません。
これではとても足りないので、血液中には酸素運搬役としてヘモグロビンが存在しています。
ヘモグロビンとは
通常、血液100ml中に15gのヘモグロビンが存在しており、ヘモグロビンは1分子あたり4個の酸素分子と結合します。
1gあたり1.39mlの酸素と結合するので、血液100ml中には20.4mlの酸素が含まれている事になります。
サチュレーションとは、この酸素とヘモグロビンとの結合の割合を表している数字なのです。
健康な状態では、この様に血中のヘモグロビンの95%以上が酸素と結びついて酸化ヘモグロビンとなっており、そのままSpO2の標準値となっています。
なお、酸素と結びついているものを酸化ヘモグロビン、酸素を離しているものを還元ヘモグロビンと呼びます。
PaO2との違い
PaO2とは動脈内酸素分圧の事で、サチュレーション(血中酸素飽和度)とは相関関係にはありますが、厳密には違います。
PaO2は血液中の酸素の分圧つまり、ヘモグロビンと結びついている酸素とその他の血液に溶け込んでいる酸素の合計を表しているのに対して、サチュレーションは酸素と結びついているヘモグロビンのパーセントを表しています。
サチュレーションが下がってきたら
心臓や肺なの疾患などがあるとヘモグロビンが酸素とうまく結びつけなくなり、結果としてサチュレーションは下がってゆきます。
そうなると体中の組織に充分な酸素を送れなくなるので、体の機能は低下してゆきます。
サチュレーションを適正値に戻すためには体温を上げたり、アシデミアやアルカレミアの状態であればpHが適正値に戻るような処置、さらには酸素供給量を増やすなどの処置が必要です。
血液ガスを理解するための用語解説
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HCO3ー PaCO2 PaO2 SaO2 BE
酸 塩基 分圧 アシデミアとアシドーシス、アルカレミアとアルカローシス
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